LECTUREDr.小島の小児がん講座
新型コロナウイルスの感染状況 lecture
新型コロナウイルスの感染状況:新型コロナウイルス感染症の基礎から臨床(3)
小島勢二
愛知県における新型コロナウイルスの感染状況
愛知県における新型コロナの感染状況です。第1波は2月初旬から始まり4月下旬には収束しました。感染者の総数は500人ほどです。第2波は7月初旬から始まり7月下旬にピークを迎えました。現在もまだ完全に終息していません。第1波に比べて、ずっと感染者数は多く、ざっと10倍です。
愛知県の7月、8月の感染者数は人口10万人あたり53人ですが、名古屋市は93人で東京都の106人と変わりません。1000人を越えるアメリカやブラジルと比較するとずっと少ないのですが、アジア諸国のなかでは、最も感染者数が多いのが実情で、決して日本のコロナ対策は優れていると胸を張れる状況ではありません。韓国は14人、台湾や中国本土は1名以下です。
歓楽街のある名古屋の中区における8月の人口10万人あたりの感染者数は、東京の新宿区にも匹敵するほどで、かなり危なかったと思われます。
愛知県と東京都におけるPCR検査数と陽性率の推移
愛知県と東京都におけるPCR検査数と陽性率の推移を示しますが、8月になって愛知県の1日あたりの検査数はやっと1000件に達したところで、東京都では一日あたり5000件のPCR検査を行なっていますので、人口比を考慮しても、愛知県の検査件数は少ないと言わざるを得ません。愛知県では、検査対象が絞られていることもあって、検査の陽性率はピーク時には15%と全国でも突出していました。東京都は一貫して5%前後です。
全国における年齢別にみた重症者の割合と死亡率
全国における年齢別にみた重症者の割合と死亡率です。50歳までは、重症例も死亡者も見られません。50歳以降になると年齢が進むにつれて重症者の割合と死亡率が高くなります。死亡率は、60代で2.7%,70代で8.5%,80代以上では18.1%と4人に1人が亡くなります。
愛知県における第1波と第2波の死亡率を比較したスライドです。第1波では死亡率が6.4%であったのが、第2波になると1%にまで低下しています。80歳以上の高齢者でも、死亡率は低下していますので、コロナが弱毒化した可能性も否定できません。
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