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第1回 中国小児再生不良性貧血サミット会議に出席 research

2019.12.16
第1回 中国小児再生不良性貧血サミット会議に出席

32病院が参加する共同研究グループが発足

小児再生不良性貧血サミット会議に出席

名古屋大学名誉教授/名古屋小児がん基金理事長
小島勢二

 7月20日に中国の天津で開催された小児再生不良性貧血サミット会議に村松先生と一緒に参加しました。今後、中国全土から32病院が参加して小児再生不良性貧血の共同研究が開始されることになり、その結団式を兼ねた会議でした。私は再生不良性貧血、村松先生は若年性骨髄単球性白血病の教育講演を行いました。年間200人の患者登録が見込まれるとのことで、世界でも最大の小児再生不良性貧血研究グループが誕生することになります。

天津血液病センターの病棟を見学

無菌室を備えた移植センターや再生医療センターも完備

 会議の翌日、新しく建設された天津血液病センターの病棟を見学することができました。普通病室のほか無菌室を備えた移植センターや再生医療を実施する医療センターも完備していました。再生医療センターではCAR-T療法や間葉系幹細胞療法を実施するとのことでした。天津では、自施設でCAR-Tを製造していますが、急性リンパ性白血病の睾丸再発に対してCAR-Tのみの治療をおこない有望な結果が得られているとのことでした。

天津血液病センターの病棟を見学 天津血液病センターの病棟を見学

プレイルームは愛佑慈善基金から寄贈

プレイルームは愛佑慈善基金から寄贈

 病棟内にあるプレイルームは愛佑慈善基金という民間の慈善団体から寄贈されました。愛佑慈善基金は15%が個人、30%が企業、残りは慈善団体からの寄付で運営されており、年間30億円の寄付金が集まるようです。今回の会議の開催も愛佑慈善基金のサポートで開催されましたが、そのほか白血病や先天性心疾患の患者さんの医療費や研究者への研究資金のサポートもおこなっているとのことでした。

国家重点実験室に指定された研究施設を見学

国家重点実験室に指定された研究施設を見学

 天津血液病センターに併設された研究施設を見学しましたが、国家重点実験室に指定されており、規模の大きさと最新実験機器に圧倒されました。

国家重点実験室に指定された研究施設を見学

 研究室のスペースは、名古屋大小児科の血液研究室の10倍以上の広さでした。

国家重点実験室に指定された研究施設を見学

 実験室内に、ゼブラフィッシュの水槽が所狭しと置かれています。

臍帯血バンクを見学

臍帯血バンクを見学 臍帯血バンクを見学

 研究施設の隣は、臍帯血バンクで、臍帯血を用いて間葉系幹細胞などの再生医療製剤を製造していました。このバンクだけでもすでに10万本以上の臍帯血が保存されています。

中国ではCAR-T治療は一般化

中国ではCAR-T治療は一般化

 中国では20以上の病院やベンチャー企業がCAR-T細胞を製造しており、CAR-T治療は一般化しています。




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